クラシック: 2009年1月アーカイブ

小澤征爾&新日本フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会
1月16日 | 金 | 開演 19:15 PM すみだトリフォニーホール
1月17日 | 土 | 開演 19:30 PM サントリーホール

ハイドン/協奏交響曲変ロ長調 Hob.I-105
ブルックナー/交響曲第1番ハ短調(リンツ稿・ノヴァーク版)

指揮|小澤征爾
オーボエ|フアン=マヌエル・ルンブレラス
ファゴット|河村幹子
ヴァイオリン|豊嶋泰嗣
チェロ|花崎薫

毎年楽しみにしている小澤センセの公演ですが、今年はチケットの発売がイープラスの独占だったため、比較的楽に入手できました。

新日本フィルの発売だと、どうしても会員優先になるからねー。かといって、小澤センセのためだけに会員になるのも。今シーズンは結構良いラインナップだったけど、来シーズンはちょっと・・・。ハウシルト爺さんしか行く気がしない。

さてそれはともかく、小澤2DAYSの初日、トリフォニーホールへ。初めて2Fバルコニー席が取れた。右サイドのやや後ろ寄りをチョイス。

トリフォニーは2Fセンター前列がベストと思うが、昨年は3Fバルコニーのステージ真横という最悪な席でも良かったから、ボクの中ではトリフォニーLOVEなんだが、今回は良くなかった。

妙に厚ぼったくて、抜けが悪い。篭った感じすらする。「音に暖かみがあって、倍音が豊か」という見方もできるが。

そんな中で前プロのハイドンは、覇気が無く、ただダラダラ演奏されているだけに聴こえた。オーボエは上手いと思ったが、それだけ。微妙に冒頭も合わないし。オーケストラ・リベラ・クラシカで聴いた方が絶対に良い。

メインのブルックナー1番は、逆に「暖かみ」の方が強く出て好印象だったが、それにしても1番自体をそんな好きではないから退屈してしまう。第3楽章からやや勢いが出てきたと思ったら随所で流れが寸断されるし(てゆーかそういう曲だし)。

第4楽章のみ小澤センセのダイナミズムが生きて聴き応えがあったが、だったら何もこの曲じゃなくても。ブラームスでもやってくれた方がずっと合う。

そんな出来栄えだったので2日目のサントリーはあまり乗り気じゃなかったのだが、2日目は凄く良かったです!

LAの前方の席を確保、小澤センセの指揮振りがよく見える。ハイドンは第一ヴァイオリンの音がよく聞こえるので眠たい感じがなく、全体的に引き締まった音像。やはり座席の問題かー。

ティンパニが大人しくて残念だったのと、ソリストの音が正面に出て行ってしまって聴こえづらかったのが少々マイナスですが。それにしても河村幹子、あんまり好きじゃない・・・。なんでだろ?ラ・フォル・ジュルネで聴いた時は確かにガッカリしたが、今日は悪くなかったんだけどな。

ブル1も昨日と打って変わって、音の一つ一つの際立ち具合が非常に良く、また小澤センセならではの大きな音楽の流れが素晴らしい。ただ、これを大きくやりすぎるとブルックナーらしさが失われていくような気もするけど。

昨日ですら「良い」と思った第4楽章は、もうブルックナーかどうかという事は感じさせない(笑)熱い演奏で、さすがだった。昨年はトリフォニーが良くてサントリーはダメと思ったが、今年は逆かー。てゆーか、何かと2日目の方がこなれていいのかも。

素晴らしい演奏を満喫してたら、終わったと同時(残響を考えればまだ鳴り終えていない)にブラボーがかかってガックリ。随分と興奮してたのできっと周りが見えないのだろうが、早くしねばいいのにと思った。

NHK交響楽団第1637回定期公演 Aプログラム
1月10日 | 土 | 開演 18:00 PM NHKホール

ショスタコーヴィチ / ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 作品77
シューベルト / 交響曲 第8番 ハ長調 D.944「ザ・グレート」

指揮|デーヴィッド・ジンマン
ヴァイオリン|リサ・バティアシュヴィリ

今年初のコンサートがN響、しかもN響ってば2008年の始めにもブロムシュテットと「グレート」やってるのに・・・ここのプログラミングは誰がやってるんだか能無しですね。

で、行く自分も能無しという事は重々承知しつつ、デーヴィッド(笑)・ジンマンを見ておきたかったので足を運んだワケです。

まずは恒例開演前の「室内楽コンサート」からですが、新年という事でシュトラウスなどの「ミニミニ・ニューイヤー・コンサート」といった趣き。N響の室内楽は意外といつも良くて楽しいのだが、ストバイの音はかすれてるし、最初の10秒くらいが楽しいだけであとはダラダラやっているように聴こえるし、全く感心できなかった。というよりは、これからのコンサートが不安になった。

さて、本公演では「グレート」の方が気になって前プロは眼中になかったが、タコのヴァイオリン協奏曲とはなかなか。しかもソリストが女性という事で、大野/都響との庄司紗矢香の演奏が思い出される。正直、あの演奏は勢いばかり勝って、気負いすぎで疲れた。絶賛している人もいるようだけど、「庄司紗矢香にしては」というレベルだと思う。

ジンマンとリサ・バティアシュヴィリが登場。庄司紗矢香と同じで真っ平ら。(何が?)
「胸元の開いたドレスなんか着なくてもいいのになぁ」と思いつつも、それは演奏と関係ないのでスルー。

で、このリサさん、庄司紗矢香とは逆に気負わずに弾き進んでいく。ショスタコの曲だから刺々しいというか、皮肉とか反体制とかロシア的とか諸々・・・な要素を入れようと思えば入れられるのだろうが、むしろ音楽的な完成度において非常に充実している。

逆に部分的には感情移入度において庄司紗矢香より喰い足りない面も出てくるのだが、終楽章なんか軽々とステップを踏むような軽快な演奏で、しかもそれが曲にマッチしていたのでとても驚いた。これは素晴らしい。

演奏が終わると同時にジンマンが両手を広げて客席の方を向いて「どうだ!」アピール。ノリントンを思い出した・・・恥ずかしいからやめてくれ。。。

後半は「グレート」。
ジンマンというと、べーレンライター版が出る前に「初のベーレンライター版使用」と謳って、実は準拠していないベートーヴェンの交響曲全集を出したことで有名な詐欺師(笑)なワケだが、モダンオケにおける古楽器的アプローチという面では第一人者といえるだろう。なので、オケも対向配置かと思ったら標準的なモダンオケの配置。

前プロよりもグッと編成を減らして、「こんなに小編成でNHKホールでいいの?」とも思ったが、数が減ったのに前プロよりも音がダイナミックになっててビックリ。まぁ、前半はコンチェルトだけどさ。

冒頭のホルンは若干ヨレッとしたけど、でもなんとか持ち堪えてまぁまぁの発進。もっとスパッと音を切って爽快に演奏していくものだと思ったら、比較的「聴き覚えのある常識的なテンポ」で進んでいく。ヴィブラートもバッチリかかってるし。ジンマンがN響に譲歩したか?

第二楽章はじっくりと鳴らしきるのでなかなか立派。2F前方にいたせいもあると思うが、弦楽器だけでなく管楽器もバランスよく聞こえてくる。第三楽章の茂木さんも良かったしね。

第四楽章でも急加速することなく、かといってダレることもなく、上手く鳴らしていく。ブロムシュテットは勢い一発的な乗りがあったし(リハは厳しいらしいが)、アルブレヒト/読響は第四楽章だけスラッシュメタルだったし、ジンマンが一番安心して聴いていられる。ジンマンに対して「安心」とか書くのにすごく違和感があるけど・・・ベートーヴェン交響曲全集のせいで「変な音を加える人」といったイメージがあるが、実はバランス感覚と統率力については素晴らしいということが分かった。

そんなこんなで、今までのジンマンのイメージを覆すような名演でかなーり見直した。

せっかくだから、現在空位の音楽監督にジンマンが就任すればいいのにね。「デーヴィッド」っていう表記はなんとかして欲しいが。

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