クラシック: 2005年5月アーカイブ

いやぁ、またいっぱい書いたのに操作ミスで消えちゃったよ。これは「いっぱい書いてはいけない」という神様からの啓示だな。読まれる読まれないに関わらず、自分の為の記録でもあるんだが。

そんなワケで、手短に。

日中は人間ドックがあったので、しかも前日殆ど眠れないこともあって本当はキャンセルしても良かった公演なんです。でも、先日の下野&読響の公演が煮え切らなかったので、どーしてもそれを払拭したくて。

人間ドック終了後、仕事を終えるために会社へ。っていうか、この日は休暇届を出してあったのだが、こういうのは「休みを取ってやる!」という意気込みを示すためにあるだけで、無いも同然だ。仕事人間の俺は小一時間!

で、仕事をとっとと終え(今週のDXガールの一色恋ちゃん可愛い♪)、錦糸町のすみだトリフォニーホールへ。このホールは初めてなのだが、キレイだし、コンパクトで音響も良さそうなので好感触。

新日本フィルは以前にアルゲリッチの公演で聴いたことがあるのだが、どうも線が細くあまり気に入らない音の楽団ではある。ハウシルトは今回初めて知った指揮者だし、前プロのベルクのヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出のために」も知らないし、ヴァイオリンソロの戸田弥生も知らない。あぁ、俺はなんて無知なんだ!

そのベルクのヴァイオリン協奏曲だが、実にワケワカな曲で、しかも新日本フィルの音の出方も「恐る恐る」といった感じの神経質さで全然イクナイ!

と思ったら、聴いているうちに慣れたのか本当に良くなったのか、第2楽章から非常に耳馴染みが良くなっていく。曲は「本当にこういう曲なのか!?」と突っ込みをいれたくなるような妙なテンポだったりするが(だって「ある天使の思い出のために」というタイトルからは程遠いんだもん)、これは曲を知らないから何ともいえないワケで。最後になるにつれヴァイオリンも絶好調で、なんとなく感動。うーむ、ヴァイオリン奏者が凄いのか、ハウシルトが凄いのか、新日本フィルが凄いのか...謎だ。

暫しの休憩の後、ブルックナー交響曲第7番に。

もう、これは4月にスクロヴァチェフスキ&読響の名演を聴いちゃったから、その想い出を汚さない演奏をしてくれればいいなぁ、という感じで。大好きな曲だからある程度の演奏をしてくれれば、多分感動できるはず。

結論から言えば、これはなかなか良かった!

第1楽章冒頭のトレモロは極めて静かに神経質に始まる。金管(特に大型の。ワーグナーチューバ?)と弦楽器の絡みが悪く、なんとなく様子見で始まった感はある。これはハウシルトだから?新日本フィルだから?謎だ。

第2楽章になるとエンジンが掛かってきたようで、音の美しさが十分に出始める。新日本フィルは線が細く神経質になりすぎて音が薄っぺらになる傾向があるようだが、美しく揃った時はかなりいい。単調な割に長いので、音に浸れないと辛いしね。

スケルツォは小澤征爾のように妙なアクセントも付けずに極めて美演に徹する。ブル7のスケルツォ、好きなんだよねぇ。あー、そういえば新日本フィルって小澤征爾のオケだったなぁ。

最終楽章は非常に軽やかに音楽を奏でていく。ハウシルトさんも「乗って」いるような振り。ブルックナーでもこういうのはアリなんだなぁ。

宇野先生のように言うならば「踏み外しがない」という事になるんだろうけど、こういうブルックナーもいいなぁ。ブルックナーらしい自然を感じさせる豪放さ、厳しさ、寂しさというのはあまり感じなかったけど。スクロヴァチェフスキとは全然違うタイプの指揮者なワケだ(スクロヴァさんは細かく指示を出して仕掛ける)。

ハウシルトもこれだけやったら「ブルックナーを振った」という気分に浸れることでしょう。

正直、新日本フィルはあまり好きな楽団ではないが、それでも先日の下野&読響の煮え切らなさを確かに払拭させる、いいコンサートでした。帰りの途に着く時の気持ちでそれが分かるんだよねぇ。

「また、ブルックナーを聴きたいなぁ」と。

↓ホール前のオブジェ
050520-215631s.jpg

読売巨人

| | コメント(2) | トラックバック(0)

「読売巨人」と書くとまるでジャイアンツみたいだが、そーではなくて。

読売日本交響楽団のマーラー「交響曲第一番<巨人>」を聴きに行ったんです。

行こうと思ったことは先日の日記でも書きましたが、ちょうどその直前に打ち合わせが入ってたので当日券で行こうとしたんだけど、心配になって前日に読響にチケット状況を確認。「全席出る予定です」との事だったので一安心。しかし本当に打ち合わせが直前だったので、コンサート自体に行けるかどうかヒヤヒヤ。サクッと終わらせて(主導権がこちらにあったので良かった)、東京芸術劇場に向かう。

そこそこ人が集まってたので焦りながら当日券売り場に向かう。空席状況を見せてもらうと、最前列と2列目が空いているというよく分からん売れ残り方(出し惜しみしたのか?)。本当は末席でも良かったんだけど、せっかくなので2列目をゲット。前過ぎると音が頭の上を飛んでいくようなのでちょっと不安に思いつつも。

早速開場。東京芸術劇場はホールとしては3階でもなだらかで見やすいので3階席でも本当に良いくらいだ。ここに入るのは昨年末の東京交響楽団のベートーヴェン「交響曲第9番<合唱付き>」以来。あの時は2階席だったなぁ。NHKホールよりはいいけど、サントリーホールほどではない。特に席の作りが安っぽい。まぁ、いい音がするホールであれば構わないけど。

で、肝心の公演の方なんです。
指揮者の下野竜也という人は最近売り出し中の若手指揮者なワケだが、先日の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」で聴きました。オーソドックスながらバランスのいい音作りの人なので、マーラーでは特に若さを強調した爆演になるといいなぁ、と。でも、下野君は太りすぎ。これだとネッロ・サンティ(N響の指揮でよく出てくる)みたいになっちゃうぞ。

危惧していたのが、マーラーの前のプログラムがモーツァルトの「交響曲第29番」なんです。モーツァルトはとても上品な音楽だから激情型のマーラーと合うのかと。解決策としてはモーツァルトはモーツァルトに徹して名演を示してもらうしかないかと。

結果は・・・ダメでした。

小編成でコンパクトにまとめるのはいいんだけど、一前昔の「学校で聴かされたらクラシックが嫌いになるだろうなぁ」という趣の、かったるい演奏でした。元々、モーツァルトの時代の演奏は古楽器で颯爽とやらないともたれる印象があったが、今日の演奏でハッキリ分かったね。モダン楽器のモーツァルトはダメだ。ピアノ協奏曲だったらまだいいんだけど(ピアノの音色がモダンの方が優れているから)、交響曲は古楽器に限るね。あくびが出た(前から2列目なのに)。

ちょっとガッカリしながら「次のマーラーは良いといいなぁ」と思いつつ、休憩。売店のサンドイッチが売り切れてたのでドーナッツを頂く。ホールで食べるサンドイッチは美味しいのよ、ナゼか。高いけど。サントリーホールに行くときはコンビニで買っていくもん。東京芸術劇場の時も持っていった方がいいな。

そして注目の「巨人」。コントラバスを含め、かなりの人数がステージに上る。マーラーの時代はオーケストラが特に大編成になっていったから、さぞかし迫力のある音になろうかと。っていうか、これでショボイ音を出す方が難しいかと。

明らかにモーツァルトとは違って気を使って入った第一音。これはいけるかも。読響は上手いのは上手いので、こういうガッチリした曲の方がアンサンブルの良さが分かると思うんだけどなぁ。モーツァルトの時代の曲は室内楽の延長で演奏すべきだと思うのだが。

第2楽章は弦が「♪タラター」と演奏すると間抜けで良くないが、「♪タッター」と演奏してくれたので満足。全体的にテンポは適切なよう。激情型の振りをして、結構見渡しは良いようだ。バーンスタインのようにテンポを変幻自在に動かすような事もなく。バーンスタインはそれが上手く行ってるので名演だが、変にそれをやっちゃうとメチャクチャになっちゃうからいいかも。

第3楽章と第4楽章はアタッカで入るので集中力が必要。そのせいか、第2楽章が終わった時点で楽器の調律タイムが入る。普通入るのか?こういうのは流れを途切れさせる事になるからイヤだなぁ。

第3楽章は葬送行進曲と軽やかなリズムのコントラストが肝だが、その辺は今一歩踏み込みが足りない。

第4楽章も力強く、特にティンパニは想像以上の迫力で満足なんだけど、ヴァイオリンは「上手いなぁ」程度。マーラーでそれはいかん。管楽器は(よくあることだけど)ひっくり返ったり、出だしが揃わなかったりでやや落ちる。どのオケでも感じるからそんなものなのかな。っていうか、弦楽器の方が気が付きにくいだけなのかな。

フィナーレはコントラバスの低音うごめく様子がとても好きなのだが、ここももう一歩。指揮者の燃焼度は凄い。ここだけは素直に感動。もっとも、他がいくら良くてもここがダメだと台無しの曲ではあるが。

アレなんだよねぇ、オケは凄くいいんだけど、「本当はもっといけるんじゃないか」というような今一歩の感じでした。本当に、悪くないんだけど。良いコンサートだと「音がひっくり返った」とか良いながら幸福感に包まれたりするもんだが、今回は「まぁ、これなら」と納得させてたような。前プロのモーツァルトが足を引っ張ったか。

それと、下野君は大変礼儀正しい人で、コンマスやらソロで大活躍したコントラバスのおじさんに頭を下げて握手している所が感動的でした・・・という事をコンサートの評価にしていいものか。前回聴いたスクロヴァチェフスキとのブルックナー「交響曲第7番」がかなり良かったから、本当に「もうちょっと出来るだろ」感が強くて。

これは来週にでも口直しコンサートに行きたいもんだ。

そんな想いを胸に会場を後にする。留守番電話が入ってる。

この時間に「アップしてください」って、そりゃ無理ですよ(涙)
050514-021203s.jpg

そんなワケで昨日は誠に遺憾ながらスクロヴァさんの「田園」をスルーしてしまったのだが、今日はみなとみらいホールで同プログラムがあるのだ。普通はそっちに行くの確実なのだ。

が。

「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン-熱狂の日-」というベートーヴェン祭が4/29~5/1に東京国際フォーラムであったんです。しかも料金が安い(殆どが1500円)のでウェルカム。こっちに行こうそうしよう。

4/29にとりあえずチケット取り。既に完売してるものもあって、入手できたのは以下。

・下野竜也指揮ポワトゥ・シャラント管弦楽団(ピアノ仲道郁代)
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番
・デイヴィッド・スターン指揮東京都交響楽団
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」

本当はその後の諏訪内晶子タンのヴァイオリン協奏曲を聴きたかったのだが、残念ながらSold Out。狭い会場でのピアノ・ソナタも聴きたかったのだが。あと、時間が遅いので断念したが、コンチェルト・ケルンの「ミサソレ」み聴きたかった・・・

で、当日になり国際フォーラムに向かう。
国際フォーラムの前は通った事はあるのだが、多分入るのは初めて。広いぞ。ピアノ協奏曲までに時間があるので、無料コンサートを見る。東京芸大の木管アンサンブルが出てくる。曲は全く知らないものだったが、それなりに楽しめる。しかも、左から2人目の子が可愛い・・・んー、なんか観点が違う(汗)

で、フランスのナント市のコーナーに行くと「ご自由にお取り下さい」の所に第9のCDが置いてある。「ホンマかいな?」と思いつつ、後で咎められても悲しいのでそこにいた担当者(フランス人だけど英語は大丈夫みたい)に聞いてみる。「どうぞ持ってって下さい」という事だったのでとっとと持ち去る。ラッキー。(後でもう一度見たらすっかりなくなっていた)

時間になったのでAホールへ。Aホールはおよそ5000人はいるのでとても広い。これだけ広いと音がちゃんと回るのか心配だ。入場の不手際があったので定刻よりやや遅れてスタート。

ポワトゥ・シャラント管弦楽団というのは全く知らないオーケストラだが、とてもマトモ。下野さんの指揮も貫録があって良い(若いんだけど)。で、ピアノの仲道郁代は可愛い。言うこと無し。

・・・と行きたい所だが、仲道郁代の解釈は酷い。第一楽章のピアノの導入部を物凄いアタックで入ってくる。「ベートーヴェンは力強い男の音楽だから負けないように弾かないと」とでも思っているような演奏。こんなことでは100万年経ってもベートーヴェンは弾きこなせない。その点、アルゲリッチはさすがだ(昨年出たアバド指揮のCDはマスト!)。「こりゃダメだ」と思ってたら、カデンツァはなかなか良い。しかも、第二楽章はもっと良い。こういう優しい音楽だと仲道郁代は映える。あまり男らしさを出しすぎてもベートーヴェンはダメなのだ。それと、ドレスが長すぎたのでペダルの動きがあまり見えない・・・っていうか、足、見たい。ペダルの事なんか分からネーヨ。

Aホールということもあって音像の遠さはいかんともし難いものがあったが、これならなかなである。

1時間ほどのインターバルの後、同じホールで都響の「田園」。「田園」を聴くのが目的だったのでこれがダメだったらガッカリなんである。しかも、知らない指揮者だし。都響といえば昨年末に大迫力の第9を聴かせてくれてビックリした事があったが(ビックリはしたが凄い良いわけでもなかった)、とにかく迫力という面では国内随一ともいえるのでこのホールには合ってるかも。

それにしても観客のマナーが悪い。こういう形の「おまつり」だからそんなに堅苦しくなくてもいいとは思うが、第一楽章が始まってるのに入ってくる客が多いのには驚いた。そんな客は入れてはダメだ。死ね。

で、演奏の方だが、都響は前の印象とは変わって随分と滑らかな演奏をするようになっていた。N響かと思った。しかーも、この指揮者はとても良い。手振り身振りがダイナミックで表現が豊か。デイヴィッド・スターンという人は要チェックだ。

僕は聴いていると軽くリズムを取るクセがあるのだが、隣の(若い)女性が輪にかけてノリのいい人で、体を揺らして乗っている。これくらいの楽しみ方はいいなぁ。「恋が芽生えるヨカーン」と思いきや、終演後とっとと帰っちゃったけど。

全てが良いワケではなかったが、コストパフォーマンスという面からも見れば非常に良い内容であったと思う。来年もやってくれないかなぁ。諏訪内タン見たいし・・・
050501-185448s.jpg

このアーカイブについて

このページには、2005年5月以降に書かれたブログ記事のうちクラシックカテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブはクラシック: 2005年4月です。

次のアーカイブはクラシック: 2005年6月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261