【小澤征爾】新日本フィルのチャイコフスキー【ユンディ・リ】

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金曜日にサントリーホールに行ったばかりだというのに、日曜日にまたサントリーホール。宝くじが当たったら、赤坂付近に住みたいといえよう。

更に、昼にあったはずの用事がキャンセルになってしまったため(家を出てから気が付いた)、暇つぶしに「芸術劇場のコバケン/日本フィルかサントリーホールのプレトニョフ/東フィルにでも行くかぁ」と思いつつ、結局芸術劇場の方に当券狙いで行ったら見事に完売(涙)。

これも聴いていたら、3日で3公演という強行日程をなっていたワケで、完売していて良かったような残念なような。日本フィル、聴いた事がないんだよなー。

そんなワケで、せっかく池袋まで出たので最近大好きなあのお店に行こうかと思ったら、大好きなあの子はお休み。インターネットカフェで3時間ほど居眠りしてたとさ。トホホ。

そして、休息十分意気揚々とサントリーホールに向かうボク。

新日本フィルハーモニー交響楽団 第410回定期演奏会

12月17日(日)19:15開演

・プロコフィエフ作曲ピアノ協奏曲第2番ト短調op.16
・チャイコフスキー作曲交響曲第1番ト短調「冬の日の幻想」作品13

指揮:小澤征爾
ピアノ:ユンディ・リ

なんと、金曜日に行ったカンブルラン/読響の時と全く同じ席(笑)。
LBブロックが最近のお気に入りなので、席が似てくるのは当然だが、全く同じ席とは。まぁ、良い席なのでいいんだけど。

小澤&ユンディは昨年の夏にも新日本フィルで聴いているので、2回目。
しかも、当初は別のプログラム(ルトスワフスキ)だったのを変更してまでの起用。なんか、怪しい(ニヤリ)。個人的にはルトワフスキの方が良かったのだが。

なんとなく、足を引きずった感じで小澤征爾登場。病気もしたし、年齢的にももうおじいちゃんだもんなー。

しかし、協奏曲だというのに一曲目から分厚い音で圧倒。

新日本フィルは美しいけど響きが薄くなりがちな印象なのに、求心力が高いというか、美しいままググッと攻めてくる。しかも、プロコフィエフらしい炎のような熱さも感じられる。さすが、小澤征爾。プロコフィエフはベルリン・フィルと交響曲全集を録ってるくらいだから自信があるのだろう。暗譜だし。

むしろ、ユンディ・リの方が十分に個性を発揮できていない様子。とにかく上手くて凄いんだけど、「壮絶」というほどではない。先日の「トゥーランガリラ」で聴いたロジェの方が数段、凄い。なんというか、ユンディ・リは、手堅く上手いという感じなんである。

それでも、やはり上手いのは圧倒的に上手いので、しかもオケも良いので、かなり聴き応えがあった。ラヴェルじゃなくて良かった。

演奏が終わって、ユンディ・リがおじぎをしている間に小澤征爾、ベロッと舌なめずり。そして、リさんと抱擁。やっぱり、なんか怪しい。

アンコールでは、ショパンの「ノクターン」を演奏。

これは素晴らしかった!

プロコフィエフが「上手いけど特別でもない」程度なら、ショパンはそのために聴きに行ってもいいくらい。深みはないのだが、曲へ没頭具合が非常にちょうど良く、とても聴きやすくて優しい感じがする。やはり得手不得手はあるのだろうが、これなら本プロもプロコフィエフではなく、ショパンのピアノ・コンチェルトでも良かったのではなかろーか。

後半はチャイコフスキーの交響曲第1番「冬の日の幻想」なワケだが、実に渋い。

ロクに聴いたことがない曲なのでアバド/シカゴ響盤でせっせと耳に馴染ませてから来たつもりなのだが、いかんせんあっさり流れちゃう曲なので、どうにも耳に残らない。かろうじて覚えているのは、全楽章通して出てくる印象的な主題くらいなもの。さぁ、これを楽しめというのか。実に困った問題だ。

と、思っていたのだがっ!

小澤征爾登場。やっぱり足を引きずっているな。

楽譜台がやけに低いと思ったら、この曲も暗譜。そんなに頻繁にやる曲とも思えないけど、ウィーン・フィルでもやるらしいから覚えちゃったのかしらん?

休憩時の練習時でも思ったが、管楽器だけその印象的な主題を速く吹かせているようで、アバドと比べるとややせっかちな印象。全体としては速いとは思わないので、そういう解釈か、アバドがゆったり吹かせすぎているのか。他に聴いた事がないから分かんないや。

第二楽章が実に素晴らしく、小澤にしては十分に歌わせて、かといってロマン派コテコテでもなくスッキリまとめ上げて行く。こちらの思惑とは関係なく、美しいものだけを目の前に並べられている気がしないでもないが、それはチャイコフスキーの曲がそういうものだともいえる。チャイコフスキーのシンフォニーは土着的なメロディを取り入れながらも、スマートに演奏してくれた方が上手く行くっぽい。でなければ、イタリア人の指揮者がアメリカのオケを振ったアバド/シカゴ響がそんなに良いハズがない。

CDでは気が付かなかったが、第四楽章は非常に派手な盛り上がり。盛り上がりは相当なものなのに全くうるさい感じはせず、とても美しく、かといって薄くもならずに音楽を作り上げていくのはさすが小澤征爾。爺さんになって、しかも病気をして、もっと枯れるかと思ったらむしろ昨年のブラームス2番よりもノリの良い、力強さに溢れた指揮になっていた。嬉しい限りです。

小澤征爾を聴くのは「新日本フィルのファンだから」という事と「日本が生んだ大物指揮者だから」という理由が主で、小澤征爾の音楽性にはあまり触れずにいたが、今回のはかなーり良かったので、「小澤征爾、さすが」の感を強くしたのである。来年のNOMORIの「タンホイザー」も楽しみになってきました!

アンコールは無かったけど、拍手で何回か呼び出された時に小澤征爾が盛んに客席のある方面に向かってアピールをしていたが、誰か来てたのかな?知っている人がいたら教えてください。


そーいやー、来年後半以降の新日本フィルの指揮陣が発表されたが、ハウシルトやミヒャエル・ボーダーが再び登場!昨年のアンケートで「また出して!」と熱望しておいたんだよな。ボクが書いたから呼んだというワケでもなかろうが、ホントに呼んでくれるなんてとても嬉しい。やっぱり、新日本フィルはいいなー。

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