というワケで、昨日は念願のバッハ・コレギウム・ジャパン(以下、BCJ)の「マタイ受難曲」を聴きに、ミューザ川崎シンフォニーホールまで行って来たのであります。
J.S.バッハ/マタイ受難曲[初期稿] 指揮:鈴木雅明 演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン ソプラノI:クリスティーナ・ランズハーマー ソプラノII:藤崎美苗 アルトI:ロビン・ブレイズ アルトII:上杉清仁 テノールI:福音史家/ゲルト・テュルク テノーII:ヨハネス・クリューザー バスI:ペーター・コーイ バスII:浦野智行
CDでは大、大愛聴盤であるBCJの「マタイ受難曲」を実演で聴けるとは、何たる幸せなことか。
とても行きたい公演だったので、この公演は意気込んでイープラスのプレオーダーで取ったのだが、その後にBCJ事務局で年間定期のチケットを申し込んだら、来週行われる東京オペラシティでの「マタイ受難曲」も公演に入ってたという。普通だったら「代わりにコレ聴きたい」とかあるのだが、これに関しては「これで年に2回も『マタイ受難曲』が聴ける」となるわけである。「マタイ受難曲」といえば、昨年の2月にミッシェル・コルボ指揮ローザンヌ声楽・器楽アンサンブルで初めて実演を聴いて大感激したのだが、BCJだったら名演間違いなし。それを2回も聴けるなんて、今年は凄い年だ。
ミューザ川崎は初めて行くのだが、駅から近くて良い。
ホールもサントリーホールをやや小さくなだらかにした感じで、とても良さそう。この日は1F4列目にいたのだが、ステージも低いので、前の方の席でも音が頭を超えては行かなさそう。この近さなら、2Fセンターの前の方の席がベストポジションかな。
今回は「初期稿」ということで、コンサート前に鈴木雅明先生が出てきて、説明を行う。1F4列目ということで思いっきり鈴木先生の目の前なので、意味も無く緊張する。大学の講義みたいだ。
通常演奏される版と「初期稿」との違いを述べたあと、合唱についても説明が加わる。合唱の構成については初期稿とは関係なく、今回は「実験」であるそうだ。(詳しくはググればそのうち誰かが説明してるのが見つかるでしょう)
残念ながら、今回は野々下先生はお休み。
チッ、せっかく前で先生のお姿を拝見できると思ったのに。
しかし、嬉しい事にコンサートマスターの若松先生が眼前なので、ここはしっかりと目に焼き付けておくこととしよう。(東京定期でも前の方を確保しているのでそんなに頑張ることもないのだが)
演奏はCDで聴いていた音が、よりリアルな形で目の前に広がっているような感じ。もう、素晴らしすぎてどこがどーだとか、申し上げる気にもなりません。
初期稿なので変わった所を探すと、
・通奏低音が1パートしかいない
・リュート奏者がいる(一部ソロをリュートが担当している)
・第二部冒頭のアリアをバスが歌う
すぐに気が付くのはそんな所くらいか。初期稿だからという理由で違和感があるところは殆ど無かった。(第二部冒頭のアリアをバスが歌うのはちょっと違和感あったかな)
コルボの時にはエヴァンゲリストとイエス様は合唱に加わっていなかったような気がするが(うろ覚え)、今回はエヴァンゲリストとイエス様も合唱、ソロにと大活躍。第65曲のアリアは好きな曲なのだが、ここのバスもペーター・コーイが歌ったのはビックリした。話の筋として、エヴァンゲリストとイエス様は合唱や、他のソロに加わらない方がいいと思うんだけど。歌手に関して言うと、今回もっとも良いと思ったのは浦野さんだったけど。浦野さん、あんなにぶれないで力強く歌えるなんてすげーよ。今度はイエス様をやって欲しいな。
第二部のペトロの「鶏が3度鳴く」のシーンでは高田あずみ先生が、ユダが銀貨を神殿に投げ込んだシーンの後のアリアでは若松先生がヴァイオリンソロを披露。
BCJは大きな編成ではないので、単体の楽器の音が明瞭に聞こえるという点において一人一人にソリスト並みの力量が要求されるワケだが、その中においても、若松先生はもう別格中の別格。ヴァイオリンを持って立ってるだけでもウルトラスーパーかっこいい。(女性だけど)
演奏面のアクシデントといえば、第一部の途中でエヴァンゲリストのゲルト・テュルクが喉を詰まらせたみたいで、演奏が一部ストップ。大きな事故はこれだけ。ゲルト・テュルクもその後はずーっと安定して歌えてたので、本当に事故だったのだろう。
あ、高田先生はソロを弾き終えて戻る時に、楽譜を床に落としましたよ。(←チクリ1)
あと、ヨハネス・クリューザーがやたらキョロキョロして落ち着きがなかったよ。(←チクリ2)
さらに、リュートのおじさんが第二部の途中で時間を気にしてチラッと腕時計を見たよ。(←チクリ3)
高田先生の隣に座ってたヴァイオリンのお姉さんがチョー可愛かったよ。(←プチ情報)
最後の合唱もBCJらしくとても美しく、サラッと盛り上げて終わる。カール・リヒターとか、他のモダン楽器の重厚な演奏に親しんだ人にとっては、このサラッ具合はさぞかしもの足りない事だろう。
「ああ、マタイ受難曲が終わってしまったなぁ・・・」
と思うか否かのうちに、余韻に浸るヒマもなく拍手が起こる。
うーむ、正直、早すぎ。
川崎公演は特別公演なので、定期公演の会員よりも川崎近隣の住民が多かったと思うが、うーむ、うーむ、うむ~、川崎市民にはガッカリだ。少なくとも指揮者が腕を下ろすまでは拍手するのはやめてください。来週の東京オペラシティではそんな事もないと思うので、存分に余韻を味あわせて欲しいものだ。
それとさぁ、左隣に座った青年が鼻を詰まらせてて、公演中ずーっと鼻息スースーだよ。生理現象だから悪気はないと思うが(しかも自分ではそんなに音を立ててるとは思ってないだろうが)、せめてマスクでもしたら少しは音を低減できるのに。この前聴いたハイドンでもヘンなおばさんが隣だったし、最近、隣に恵まれてないなぁ。ってゆーか、来ないで下さい。
一日経って、レオンハルト指揮の「マタイ受難曲」を聴いてるのだが、レオンハルト盤の方がテンポがゆったりと進んでいくので、もっと敬謙深いような感じはするね。あと、これ、オルガンがピエール・アンタイかぁ。凄いなぁ。
それにしても、早く東京オペラシティの公演にならないかなー。


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