フルネさんの最後のコンサート

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世界的有名指揮者であらせられるジャン・フルネが引退するというので、フランス指揮者というとどうも苦手なボクであるが、いそいそと出かけたのである。

12/20と12/21の東京都交響楽団(以下、都響)の定期公演がラストコンサートになるのだが、ボクが行ったのは12/20のサントリーホールの方。

プログラムは以下の通り。

・ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」op.9 ・モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491 ・ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73

しかしまぁ、フルネくらいの著名な指揮者がよくも都響をラストコンサートのオケに選んだものだと暫し感心。日本人としては、素直に嬉しいんだけど。

で、フランスの指揮者というとどうしてもラヴェル臭漂う、ボクの苦手なエスプリな感じがあってどうも好きでは無いのである(ブーレーズは別)。実際、フルネのプログラムはラヴェルが入る事が結構多いから、「著名な指揮者」と認識しつつ、足を運んだ事が無い。今回も「ボレロ」あたりで締めるようなしょっぱいプログラムだったらフルネのラストといえどもスルーだったのだが、今回はメインプログラムがボクの超絶大好きなブラ2なので問題なし。

っていうか、フランス人の振るブラームスっていうのもさてどんなもんかと思うけど。

とりあえずそんな偏見は置いといて。

一曲目のベルリオーズ。
ベルリオーズはフランスの作曲家の中では好きな方。「好きな方」というか、「幻想交響曲」くらいしかまともに聴かないから、「幻想交響曲」は好きというだけか。しかし、さすがにお国モノだからか流麗にこなしていく。92のおじいちゃんだというのにイスも用意されず、立ったまま指揮する姿を見ると「あと、1、2年はいけるんじゃないか」と思うほど。しかし手はあまり高くは上がらず、ブラブラとさせているだけのような感じもする。

二曲目ではソリストとして伊藤恵が登場。
伊藤恵といえばHMVのサイトで許先生がクソミソにけなしていたが、音は綺麗だと思う。まぁ、クソミソに言う程ではないけど、そんなに悪くは無い。けど、良くも無い。フルネ氏のラストコンサートのパートナーとしてはもうちょっとかな、という気はする。

どっちかっていうと、都響の演奏がかったるくて、「モーツァルトはこういうオケじゃダメだなぁ、やっぱり古楽器でないとなぁ」と思いながらも、第2ヴァイオリンのお姉さんが可愛いのでボーッと見てたら、眠くなってきた。家に帰ってからガーディナー指揮でフォルテピアノがビルソンの同曲を聴いたら凄く良かったので、もうちょっと考えた方がいい。

ここでバカ一人ハケーン。

第二楽章に入る前にLBブロック方面からズカズカと足音をわざと大きく立てて退出するバカ1名。フルネ氏、そいつが出て行くまで待ちぼうけ。つまらん演奏に対する抗議のつもりかもしれないが、それだったらもう少しで休憩に入るんだから、終わってから直接都響に文句言えばいいのに。このバカはそれが権利と思ってるかもしれんが、周りの人間を嫌な気分にさせる権利はアンタにはないはず。

っていうかさ、90過ぎのじいさんのラストステージなんだからさぁ。
普通の演奏会とは違うという事が分かんないかなぁ。

まぁ、第三楽章もつまらなかったわけだけど。

休憩を挟んで、後半はいよいよブラームス。
「交響曲第2番」はブラームスの交響曲の中で最も好きな曲なのだが(4曲しかないけど)、昨年初めて聴いたコンサートで演奏されたのがヤンソンス指揮ロイヤルコンセルトヘボウ管の同曲だったので、しかも座っている席がその時の近くなので、ちょっと感慨深げなボク。あのコンサートに行ってなければ、こんなにコンサートにハマることもなかっただろう。

第一楽章はユラユラと気負わず始まる。相変わらずフルネさんは手をブラブラさせているだけのように見えるが、大きな楽譜(老眼対策?)を懸命に行ったり来たりでページをめくる。前半のプログラムの出来からして「こんなものかな」という印象。ロイヤルコンセルトヘボウ管と比べるとまとまりは悪いように聴こえるが、ロイヤルコンセルトヘボウ管と同じくらい上手かったら大変だ。

と思ってたら、いつの間にか、第二楽章以降は完全に曲に吸い込まれていく。

なんだかんだで今回で都響を聴くのは4回目なのだが、都響はとかく日本のオケが弱い管楽器がかなり良いので、いつも安心して聴ける。その中でも、今回はフルートが凄く良かった。素晴らしかった。

ヴァイオリンが新日本フィル、管楽器が都響、チェロとコントラバスが読響で選抜オケを作ったら、ちょっと嬉しいかも。

第四楽章になると、心持ちフルネ氏の腕もちょっと高めに上がってきている感じ。90過ぎでこのパワーは本当に凄い。体を大きく揺らしたりはしないので見た目の動きは少ないが、弱々しい感じがしないんである。

フィナーレも派手に追い込みすぎず、かといって枯れすぎず、「本当にこれで最後?」と思ってしまうような、特別な事はないブラームス。でも、特別なのだ!

アンコールは無かったが、観客と団員全員でフルネ氏に温かい拍手が続く。

そんな様子を見て、なんだか前半(というかモーツァルト)の出来の悪さを差し引いても凄く満足してしまったのであった。

今日は東京文化会館であるのか。

行きたいなぁ・・・


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