\27,000という大枚叩いて行って来ました、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団。昨日だったので、10/15の公演。
"ウィーンフィルハーモニー管弦楽団”(以下VPO)といえばベルリンフィルと並んで世界最高峰のオーケストラとして名高いワケだが、ベルリンフィルがドイツらしい堅実な音作りなのに対して、VPOはより柔軟で繊細な音が特徴といえる。時々無茶な演奏をするので(ケルテス指揮のドヴォルザーク「新世界」とか、ゲルギエフ指揮チャイコフスキー交響曲第5番等)どっちかっていうとVPOの方が好きなワケで。
これがどこぞの日本オケだったらチケット取りも苦労しないのだが、VPOともなると争奪戦。苦労に苦労を重ねて、ようやく昨日の公演を取れました。演目は以下の通り。なんと、今回の「ウィーンフィルウィーク in ジャパン」で唯一のプログラム。
シューベルト 交響曲第4番「悲劇的」
ヒンデミット 「至高の幻想」
リヒャルト・シュトラウス 「死と変容」
アンコール
ヴェルディ 「運命の力」序曲
シューベルトが最後かと思ったら最初に演奏したのでちょっと驚き。
小型の編成で小気味良い演奏。昨年、ヤンソンス/ロイヤルコンセルトヘボウ管で演奏したベートーヴェン交響曲第2番を思い出したが、あれよりは厚い響き。何しろ初VPOなので音が出た瞬間に感動で身動き出来なくなってしまう。
いつもだったら新日本フィル聴いて「ウィーンフィルのような繊細な音使い」とか表現する所だが、なんてったって本物のウィーンフィルだもんなぁ!
指揮のムーティはVPOとは共演を重ねている巨匠なのでノー文句なのだが、ここ最近のピリオド奏法とは一線を画した伝統的な巨匠なので好みとはちょっと違うかも。
とか言いつつ、現実に演奏されている音の前に理性のなんと無力な事か。
ムーティの指揮は力任せに音作りをして行くのではなく(過去は力任せだったらしい)、むしろ左手で表情付けをしているだけで殆どタクトを握った手の出番は無く、VPOの自主性を存分に引き出すような、そんな指揮振り。でも、指揮台に立ったムーティはかっこいい!
休息を挟んでヒンデミット。
ヒンデミットは正直、分からない。そんなに難しいとも思えないのに、どんな音楽だったか思い出せないという現代音楽らしい音の響き(現代音楽としてはちょっと古いか)。分からないだけにいかに音が鳴っているのかを確認できるいいチャンス。
編成が大きくなったせいもあるだろうが、音に響きだけでなく奥行きが出来て、音の渦に飲み込まれているような感じ。
続いて、リヒャルト・シュトラウス。今回の目玉!
リヒャルト・シュトラウスといえばかつてVPOを振ったこともあり、かつ大音量で管弦楽を鳴らすには随一の音楽なので期待大。本当は「英雄の生涯」が聴きたかったのだが、今回はこれ目当てでチケットを取ったので、期待しない方が無理といえる。
静かな立ち上がりから徐々に音の密度を濃くしていく。前プロのシューベルトでは指揮をVPOの自主性に委ねていたムーティも、ここでは大きなアクションで音作りを演出。見るからに熱い指揮で、こちらまで熱くなってしまう。(そういう曲だし)
最後も静かに余韻を浸るように終わる。ゆっくりタクトを下ろすムーティ。
・・・のはずなのに!
余韻に浸る間もなく、ムーティが指揮棒を下ろした瞬間に拍手を始めるバカ出現。
連られて数人も拍手するも、場違いだというムードに包まれて拍手フェードアウト。気まずい空気。
ムーティが後ろ向きのままで拍手の合図を送って場内満場一致の大きな拍手に包まれたが、最初に拍手したバカのせいでせっかくの名演が台無し。こいつは一生を掛けて自分の冒した罪を償うべきだ。
いや、しかし、それにしても音の粒立ちといい、密度といい、キュッヒルの赤ら顔といい、名演中の名演。CDで聴くと大げさな部分も目立つリヒャルト・シュトラウスだけど、実演はすげーよ、マサルさん!
続いて、アンコールでヴェルディの「運命の力」。
双眼鏡で楽譜を覗いたので、アンコール前に曲は分かっていたワケだが。
これも「死と変容」の盛り上がりを受け継ぐような熱演で当然、名演!
ところが、この前にもトラブルがあって(涙)
アンコールに行く直前、「ピピピピ・・・」と突然の電子音。誰かがケータイだが時計だかのアラーム音を鳴らしたらしくて。
こいつも死んだ方が世の為だからポアしてやろうかと思ったのだが、それにしてもこんな気をつけていれば起こらないような事を起こすなんて、日本人のなんたるマナー意識の低い事か。これに懲りてムーティや、オーケストラの皆さんが来てくれなくなったらどう責任取ってくれるというのだ。本当に嫌になった。
勿論、そんな事も吹き飛ばすような名演だったので良かったのだけれど。こういう事が無かったらあと数倍は心地よい演奏会であっただろう。(というか、オペラの序曲でこれだけ熱いのだから、この調子で本編全部やったら死ぬんじゃないか)
それにしても、帰宅してからN響の演奏をテレビでチラッと聴いたのだが、演奏精度の高いN響とはいえ、VPOと比べたらまるで小手先でしか弾いていないような軟弱さ。上手く弾けても、思いっきりの良さが無いと、楽器の音を伝えきれないのだろう。VPOなんか、平然と弾いているようであの密度感だもんなぁ。これじゃあ、日本のオケが束になっても敵わないワケだ。
残念な事はあったけど、初のVPOは堪能できて本当に良かった。もう、シューベルトなんか最近遠ざかってたのに、また聴きまくり。
本当はシューベルトだったら5番聴きたかったけどね。


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いいな~~~!!
今年の6月にVPOのパリ公演があったんですよ、
でワタクシチケット買えなくて悲しい思いをしました(泣)
実は僕、VPOは未体験なのです><;
ききた~~~いっ!
悲劇的といえば、マラ6を聞いていた今日でした。
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感動するだけだったら他にも感動した公演はあるんだけど、音色には圧倒されましたね。「これがVPOか!」みたいな。
もっとも、目の前にVPOとムーティがいる事を分かっているワケだから、「VPOを聴いているんだ」という状況自体に酔っているといえなくもないんけど。
それにしても、今年のベルリンフィル(ラトル指揮)は聴きに行く気がしないなぁ。(チケットも取っていない)