アレが2ヶ月振りとか書くとさぞかしご無沙汰のことと思われるが、いや、本当に久し振りで、前回は横浜だったっけなぁ...
勿体振るのはこれくらいにしておいて。
7/15の「新日本フィルハーモニー交響楽団 夏の特別演奏会 指揮:小澤征爾 ピアノ: ユンディ・リ」以来のコンサートに行って来たんである。8/7にもアルゴ・ミュージカルに行ってるけど、それにしても1ヶ月振りだ。実演好きなボクとしては実に実に長い2ヶ月であった。
クラシックにおいては、7,8月は夏休みの子供やファミリー対象に生ぬるいプログラムしかやらないから(「モルダウ」と「新世界より第4楽章」とか)、行きたくても行きたいのが無いのである。しかも、せっかく行きたいのがあったと思えば取材が押して間に合わなかったり。(チョン・ミョンフン/東フィルのブル4「ロマンティック」とか)
というワケで、土曜日は時間が出来たので下記公演に出向いたワケで。
東京都交響楽団 クリストフ・エーベルレ指揮 ピアノ:菊池洋子
・ベートーヴェン 序曲「レオノーレ」第3番
・ベートーヴェン ピアノ協奏曲第一番
・ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
事前にチケットの状況を見たら楽勝ムードだったので当日券で取ったのだが、当日券売り場トップで並んだのに3階のB席だった。名曲プログラムなので結構さばけるもんだな。場所は池袋の東京芸術劇場だったのだが、ここはホール自体は気に入ってるが3階は初めて。
今まで1階か2階でそこそこまともな音響で聴けたので(音響と演奏は別だけど)ちょっと不満だったが、いざ席について見ると案外悪くなさそう。逆に、オケ全体が見渡せて良いような。
1曲目の「レオノーレ」が始まる。
ベートーヴェンの序曲なんか真面目に聴く気もしないが、どうせやるなら「コリオラン」か「プロメテウスの創造物」あたりが好きなワケだが、「レオノーレ」も後半に向けて盛り上がりがあり、まぁ、コンサート向きといえなくもない(っていうか、結構良かった)。
3階なのでさすがに音像がやや遠いような感覚はあるが、思ったより良い。
エーベルレという指揮者も全然知らない指揮者なのだが、都響が割と好きなのと、ベートーヴェンだったら馴染みがあるのでまぁいいかという程度の期待だったので、期待度が高くなかった分、好印象。オペラは結構振ってるらしい。
2曲目ではピアノ奏者で菊池洋子が登場。名前だけは聞いたことがある程度の人なワケだ。随分とおめかししての登場だ。が、腕、太い。
それにしても、ピアノコンチェルトで1番とは渋い。3番が最も好きなのだけれど、商業的には4番か5番あたりが妥当かと。
だがっ!
これは素晴らしかった。
以前に仲道郁代の3番を聴いた時は「男の音楽だからってそんなに力任せに弾くことはないだろ」という感じで、「女がベートーヴェン弾いちゃ駄目だ」という差別的発言を醸したボクであるが(どこで醸した?)、菊地洋子は力任せでもなく、かといって弱すぎず、特にカデンツァからオケに渡す最後の一音では身震いするほど良かった。第二楽章の途中で音楽に酔ったしなぁ!菊地洋子良かったよ~!また聴きたいぜ~!
菊地洋子に比べて、仲道郁代が勝ってるのは、ルックスと運指の滑らかさくらいなものだ。(仲道郁代は可愛いので、CDは欲しくないがコンサートには行っても良い)
休憩を挟んで、メインの「運命」へ。
実演では「田園」の方が好きなのだ。実際、以前に都響の「田園」を聴いた時も感動したし、在京オケが「田園」をやってくれれば「それはちょっと行ってもいいなぁ~」という感じなのである。しかし、「運命」も名曲なのでそれなりの感動は与えてくれるものと。
それにしても、エーベルレはまとめるのが上手い。
都響というと、金管がうるさく音楽的でない印象があったのだが(それがマーラーの演奏では上手く行くこともあったようだ)、3階という席のせいもあったのかもしれないが、金管と弦楽器のバランス&ブレンドが非常に良い。
エーベルレもオペラでは実績がある人らしいので、「何かを仕掛ける」というよりは、「上手く流していく」という感じで、宇野先生だったら「血どころか汗もかかないベートーヴェン」と評する所だろうが、昨年末に聴いた「第九」の大雑把な演奏を聴かせた楽団と同じ楽団とは思えないようなまとまり。これも指揮者の力なのだろうか。
欲を言えば、ティンパニがちょっと大人しすぎたかな。
そんな「運命」だけれども、頭の中でCDでの名演(カルロス・クライバーとか)がよぎっちゃって、どうも大人しい演奏。上で書いた通り、流れの良さを重視して音楽的に聴かせるという意味では良かったが、終楽章くらいはもっと爆発して欲しかった。
エーベルレは終始オケに向かって「次はそこ、次はこっち、キミ!はい頑張って!」というような、ある意味、本当に流れに徹した指揮振り。オペラだとさぞかしいいんだろうなぁ。
アンコールに聴いたこと無い、ベートーヴェンの舞曲が演奏される。ま、これはお約束みたいなもので。
今回は「作曲家の肖像」というシリーズの一環で分かりやすいプログラムだったので、あんまり奥深く聴くというものでは無かったが、それでも菊地洋子がとても素晴らしかったのと、3階でも十分視聴に耐えうるという事が分かったのと、あと2ヶ月振りのコンサートだったので、満足度はかなり高く家路に向かったのであった。
そういえば、その日は同僚数名が秋葉原でイベントを開催していたのだが...(池袋に行っちまったのだよ)
